1. バイクの燃費消費率について

バイクの燃費消費率について

バイクの定地燃費値とは

バイクの燃費性能を図る基準の一つが、定地燃費値です。
この定地燃費値は、平坦な直線において時速60km(50cc以下の原付バイクの場合は30km)で走行した場合、どの程度の燃費性能が発揮されるのかを記した値です。
ですから、表面的なシチュエーションを考えれば日常的なバイクの使用環境を考慮した数値に見えます。

ただし、こちらは事実上そのバイクの燃費性能の限界値、もっとも燃費にとってよい環境でバイクを運転したときにどれだけの数値になるのかを示したものです。
ですから、実際の燃料の消費とはかけ離れた数字になってしまうこともあります。

もうひとつの基準、WMTCモード値とは

WMTCモード値とは、発信や加速、停止といった運転の際のシチュエーションを考慮したうえで算出されている数値です。
いわば、日常的にバイクを運転するシチュエーションを前提とした数値といってもよいでしょう。
極端な話、バイクの燃費性能を図る際には定地燃費値ではなくこちらをチェックしておけば、だいたいの基準はわかるということになります。

問題なのは、この定地燃費値とWMTCモード値との間で大きな差が生じるケースがある点です。
例えば、あなたが購入を検討しているバイクが2種類あるとしましょう。
定地燃費値ではどちらもそれほど大きな差か見られないのに対してWMTCモード値では大きな差が見られるという可能性も出てきます。

あるいは同じバイクで定地燃費値とWTMCモード値との間で大きな差が出ているケースもありえます。
こうなると、「どっちを見ればいいの?」と困惑してしまう人も少なくないでしょう。
そんなときには、「迷ったら基本的にはWMTCモード値を見る」と踏まえておけば大丈夫です。

ただし注意点がひとつあり、このWTMCモード値の測定方法に関しては、排気量や最高速など5つのクラスに分かれています。
そのため、すべてのバイクが完全に同じ基準で測定されているとは限らないのです。
また、A社のバイクとB社のバイクの燃費性能を比較する場合、測定方法に違いがあるのも押さえておきたいポイントです。
この違いを踏まえて出されたWMTCモード値での比較は、やはりあくまで目安でしかないので、数字で完全に優越をつけることができない可能性もあるのです。

このように、バイクの燃費性能を確認するのは難しい面があります。
ですが、この2つの基準を知っておくことで、より燃費性能がよく、自分にとってコストパフォーマンスの高いモデルを購入する際の目安にすることができるのは間違いありません。
あとは、実際に試乗できる環境であれば試乗を行い、乗り心地を試して購入を検討しましょう。