1. 急制動時にも慌てないリアブレーキの使い方

急制動時にも慌てないリアブレーキの使い方

リアブレーキの役割は?

リアブレーキは、フロントブレーキを組み合わせて状況に合わせて使い分けることが大切です。
フロントブレーキは制動力は強いものの、その反動も大きいです。
急制動の場合などは慣性の影響で前のめりになってしまい、バイクのサスペンションに負荷がかかってしまいます。
停止できれば最悪問題ありませんが、衝撃を吸収しきれなければ、急制動によって前に倒れこんでしまう可能性もあるのです。

リアブレーキは、そういった急制動の際にバイクにかかる力をうまくコントロールする役割があります。
単体では制動力はそれほど大きくなく、確実に止まることはできません。
しかし、急制動時にフロントブレーキと同時にリアブレーキをかけることで、バイクが前のめりになるのを防げます。
リアブレーキには、運転時の姿勢を維持するための役割もあるのです。

バイクの推進力はリアタイヤに伝わるのが原則であり、常に前に進もうとする力がかかっています。
それをリアブレーキを活用してコントロールすることで、ブレーキをかけてからバイクが停止するまでの制動距離の短縮にもつながるうえ、転倒予防にも役立つでしょう。
急制動時のほかにも、低速時にはリアブレーキを使った方が速度をコントロールしやすいですから、前後のブレーキの役割をよく理解し、状況に応じて使い分けましょう。

リアブレーキのかけ方

ブレーキをかける際は、フロントブレーキとリアブレーキを同時にかけることで高い制動効果が期待できます。
では、止まる際は前後同時にブレーキをかけるのが良いかと言われれば、そういうわけでもありません。
若干ですが、リアブレーキを先にかけることでうまくいきやすいでしょう。
これは、リアブレーキには推進力を抑え、姿勢を安定させる役割があるためです。

先にリアブレーキをかけて車体に後ろ向きの力を加えつつ、前方向に力がかかるフロントブレーキをかけることで、ブレーキ時も安定した姿勢で止まりやすくなるのです。
ブレーキのかけ方だけでなくて、ライダーの姿勢も止まりやすさに影響を与えます。
減速する際は、上体を起こして体重をステップにかけるのがブレーキ時の望ましい姿勢です。

急制動時は体に力が入りがちですが、腕はできる限りリラックスさせておきましょう。
腕がこわばっていると、前のめりになってグリップを前に押してしまう可能性があります。
急制動の場合でも急ブレーキは危険ですので、少しずつブレーキの強さを強めていくことで少しずつ確実に停止するようにしましょう。

リアブレーキは、コーナリングの際の速度調整にも向いています。
コーナリングでただでさえ姿勢が崩れがちなかで、フロントブレーキで制動するのは賢明ではないでしょう。
リアブレーキで安定した姿勢で速度を微調整しましょう。