トルクとは
バイクの教習所に通うようになると、実際の乗り方はもちろんのこと、バイクで使用される言葉についても知識が必要となってきます。
バイクの話をしていてよく聞かれる言葉に、「トルク」と「馬力」があります。
バイクを始めたばかりの人にとってはあまりなじみのない言葉ですので、内容をよく把握しておくといいでしょう。
トルク(torque)というのは、「ペダルを押す力」のことです。
自転車を例にとってみると、ペダルを押す力が強ければ強いほど加速する力が増しますし、上り坂でも楽に登ることができます。
バイクでは足でペダルを押すわけではなく、エンジンの爆発によってクランクシャフトを回します。
トルクの単位には「kgf・m」と「N・m」が使われており、出力はトルク×回転数で算出されます。
カタログスペックには、「最大トルク」の項目にトルクのピーク時が数値化して示されています。
カタログには最高出力が「◯◯kW(◯◯PS)=◯◯◯rpm」、最大トルクは「◯◯N・m(◯◯kgf・m)=◯◯◯rpm」と記載されています。
これはエンジン回転数が◯◯◯rpmの時に、最高出力と最大トルクが発揮されることを示しています。
トルクはバイクの排気量が大きくなるに従って、値も大きくなります。
多気筒エンジンであれば、それぞれのシリンダーの発するトルクを足したものが最大トルクとなります。
馬力とは
トルクが瞬間的な力なのに対して、馬力はある一定の時間内に行われた仕事量のことを指します。
馬が物を引っ張る時の能力を1としたのが馬力で、具体的に言うと1秒間に75kgmの力で1m動かす時の仕事率が1馬力です。
市販されているバイクの平均馬力は、50ccが2~7馬力、125ccバイクで7~15馬力、以下250ccが19~24馬力、400ccが25~55馬力、750ccが40~100馬力、そして1000cc超が50~200馬力となっています。
車では軽自動車が50馬力程度、普通車で70〜250馬力程度です。
もちろん馬力が大きければ大きいほどパワーのあるバイクなわけですから、長期ツーリングなどに出るのが好きで終始安定したパワーが必要な人は、余裕のある馬力のバイクを選ぶことをおすすめします。
バイクのカタログに記されている馬力(出力/PS)は、「回す力(トルク/kg-m)」×「回った回数(回転数/rpm)」×1.39÷1000の計算式で算出されています。
PSというのはメートル法で計算された単位で、ドイツ語の「Pferde stärke(馬の力)」の頭文字です。
ちなみに人間の馬力は0.1〜0.2程度、新幹線の馬力は2万3200馬力となっています。